診療科目
デリケートゾーンの黒ずみ
黒ずみの原因
黒ずみは「色素沈着」によって起こります。この色素沈着には、「メラニン」という物質が大きく関わっています。
メラニンは、「メラノソーム」と呼ばれるメラニン合成器官でつくられています。メラノソームは、皮膚の一番上の層である「表皮」と、二番目にある「真皮」の境目あたりにある、「色素細胞」と呼ばれる細胞の中に存在しています。長い期間、皮膚に摩擦などの刺激を与え続けると、皮膚の中で、ごく軽い炎症が起きたような状態になり、この状態に反応して、メラノソームが通常よりも皮膚の深いところへと落ち込みます。
さらに、メラノソームが一部の白血球に捕食されます。この状態を「メラノファージ」と呼びます。メラノファージが増えてしまった状態を「炎症後色素沈着」と呼び、これが摩擦による黒ずみの正体なのです。
デリケートゾーンは皮膚バリア機能を担う角質層が薄く、水分保持力が弱い部分です。下着や生理用品、また脱毛や出産など様々な要因で摩擦はよく起こります。普段は見えないデリケートゾーンですが、気にしている方も多く、誰にも相談できずに悩んでいる人も実は多いのです。
このような黒ずみに悩んでいませんか?
下着こすれによる黒ずみ・・・
デリケートゾーンは特に肌を守るためメラニン生成が活発になりますので、合わない下着やきつい衣類などの摩擦が刺激となり、色素沈着を起こすことがあります。
また、入浴時にゴシゴシと拭くなど、タオルでの強い摩擦が原因の場合もあります。
生理用品のかぶれによる黒ずみ・・・
現在は無添加で肌にやさしいタイプもありますが、市販の使い捨てのナプキンのほとんどは、吸収体が高分子ポリマーでできています。
また、肌に触れる面もポリエチレンフィルムといった素材で、どちらも石油を原料とする素材です。これらの素材は放湿性が低く、蒸れやすいのが特徴。蒸れると陰部の肌がかぶれやすくなり、黒ずみの原因になります。
また、吸収体の高分子ポリマーは、経血を吸収すると「ジェル状に固まり冷たくなる」という性質を持ちます。冷たくなったジェルによって体が冷やされ、さまざまな不調を引き起こすことに。冷えは、肌の新陳代謝が低下する原因にもなり、黒ずみを引き起こしてしまうこともあります。
脱毛治療後の黒ずみ・・・
脱毛後の黒ずみの原因は「刺激」。人間の肌は紫外線による刺激以外にも、物理的な刺激を含め何らかの刺激を受けると肌細胞を守るためにメラニンが分泌されるようになっています。メラニンは紫外線による肌のダメージを防ぐなどの役割を持った成分であるため、メラニンの分泌そのものは悪いことではありませんが、過剰に分泌されてしまうと色素沈着、つまり黒ずみが引き起こされやすくなる原因となります。逆を言えば、メラニンが過剰に分泌されてしまうことは何かしらの刺激が加わり続けていることでもあり、日常生活で肌が受けている刺激を減らすことがメラニンの過剰分泌を抑制して黒ずみの発生を抑えることに繋がります。また、脱毛をして今まで見えなかった肌が見えた際に黒ずみが気になるケースもあります。
産後の黒ずみ・・・
産後に肌の黒ずみに悩む女性は少なくありません。プロゲステロンとエストロゲンという女性ホルモンの増加によりメラニン色素が増えるのが原因です。脇や、腹部などもそうですが、特に外陰部はメラニン色素がもともと多くあるため、黒ずみやすい部分でもあります。